学校は大切なお子さんを一時的にお預かりしている場所とも言えると思います。自分の子どもが「行ってきます!」と元気に家を出たなら、同じく元気に「ただいま!」と帰ってきて欲しいと、どの保護者も思っていることでしょう。そんな観点から今日は記事を書いていきます。
「安全」
学校にいる子どもたちにとって1番大切なことは「安全」ではないかと考えています。もっと言うと、考えるようにしていると言ったほうがいいかもしれません。言葉だけで見ると何ともあっさりとしていますよね。当たり前すぎて「そんなことかよ!」と思った方もいるかもしれません。大切にすべきいくつかのポイントをトランプに見立てた場合、「安全」のカードは「簡単さ」や「楽しさ」のカードよりも後ろに来ていることがないでしょうか。自分へのチェックを兼ねて話を進めます。
英会話スクール経営者からの言葉
1番大切なのは「安全」という考え方を教えてくれたのは、英会話スクールの経営者でした。教員になる以前に、この経営者の方から授業を受ける機会があり、そこで彼女から出されたのがタイトルの質問でした。私たち生徒は、「笑顔」、「優しさ」、「楽しさ」など様々に答えを出しましたが、誰1人「安全」と答えた人はいませんでした。答えを聞いた時は正直「当たり前すぎて、候補にすらなってなかった!」と思いました。更に彼女は続けてこう質問しました。「今授業をしているこの会議室が、スクールの教室だとしましょう。安全でないところはいくつあるでしょう?」と。「安全が大切」と既に答えを聞いているわけですから、私たち生徒も次々に「安全ではない」と考えられるポイントを答えていきました。しかし彼女は私たちが気付かなかった、ドアを止めているストッパーやコンセントの位置など、もっと細かい点に至るまで「安全ではない」ポイントを指摘しました。子どもの命を預かる立場というのはこれくらい細かく「安全」を意識しなければならないのだと教えられました。
判断と決断の連続
時は経ち、実際に教員として働くようになり、彼女の言葉により一層重みを感じるようになりました。学校現場ではすぐに判断が必要であったり、複数ある案から一つを選ぶ決断をしたりと、「判断」と「決断」の連続です。そんな時にこの「安全かどうか」という基準はとてもわかりやすく、強力です。
例えば、大掃除の際に子どもが自発的に机の上に乗って窓を拭こうとしていたらどうでしょうか。一見、「褒めポイント」だけに思えるかもしれませんが、「バランスを崩して落ちるかもしれない」という「安全面」から考えると止めるべき行為でもあると判断できると思います。子どもには綺麗にしたいと思ってとった行動ですのでもちろん褒めます。その後になぜ危ないか、理由を説明すれば子どもも納得すると思います。
たかが画鋲、されど画鋲
教室の後ろに掲示物を貼ることが多いと思います。私は掲示物がないのに壁に画鋲だけが刺さっているのを見ると、気になってしまいます。「画鋲が落ちて子どもが踏んでしまったら…」、「針がついているものだし、よからぬことに使うのでは?」等と考えてしまうため、自分の教室では必要ない画鋲はケースの中に片付けるようにしています。取るに足らない小さなことかもしれません。でも実際に画鋲が絡むトラブルが自分の学年で起きたことがあります。画鋲の取り扱いについて確認があった際に、余分な画鋲は壁に無いと自信を持って言うことができました。普段はいい加減なところもある私ですので、もし壁に画鋲を刺したままで、いくつあったかも分からない状態だったら…更に調べる範囲が広がって事態の収拾に時間がかかったと思います。
ベストで無くともベターな選択
きっと、この記事を読んでいる先生方も日々色んな視点で「安全」に配慮されている事だと思います。個人的な感覚ですが、先輩方を見ていると経験年数が増えれば増えるほど、経験値から得られる「危険かもアンテナ」が研ぎ澄まされていく気がします。経験がまだ足りない時には、判断しやすい基準があるとベストで無くともベターな選択ができるのではないでしょうか。「安全」に気をつける事で、子どもにとって安心できる場所にしていきたいですね。私も日々、「安全」のカードを1番上にして仕事をしていきたいと思います。皆さんにとっての「学校にいる子どもにとって1番大切なこと」は何でしょうか。コメントやTwitterで気軽に教えてくださると嬉しいです。
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